従業員に対する指導・監督

過積載の防止(安全規則4条)

事業者は、過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する適切な指導・監督を怠ってはならない。

運転者等に対する指導・監督(安全規則10条)

1.事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、当該貨物自動車運送事業に係る主な道路の状況その他の事業用自動車の運行に関する状況、その状況の下において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び法令に基づき自動車の運転に関して遵守すべき事項について、運転者に対する適切な指導・監督をしなければならない。
このばあいにおいては、所定事項を記録し、かつ、その記録を営業所において3年間保存しなければならない。

2.事業者は、事業用自動車に備えられた非常信号用具および消火器の取り扱いについて、乗務員に対する適切な指導をしなければならない。

3.事業者は、従業員に対し、効果的かつ適切に指導監督を行うため、輸送の安全に関する基本的な方針の策定その他の国土交通大臣が告示で定める措置を講じなければならない。

異常気象時等における措置(安全規則11条)

事業者は、異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生じるおそれがあるときは、乗務員に対する適切な指示その他の輸送の安全を確保するために必要な措置を講じなければならない。

運行管理者の指導・監督(安全規則22条)

事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、特別な運転者(①事故惹起運転者、②初任運転者、③高齢運転者)に対して、事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項について特別な指導を行い、かつ、国土交通大臣が告示で定める適性診断であって法令の規定により国土交通大臣の認定を受けさせなければならない。

●特別な指導の内容・時間(指導監督の指針2章2・5)

①事故惹起運転者に対する特別な指導
※事故惹起者とは
「死者または重傷者を生じた交通事故を引き起こした運転者」および「継承者を生じた交
通事故を引き起こし、かつ当該事故前の3年間に交通事故を引き起こしたことがある運
転者」をいう。
運転者として常時選任するために新たに雇い入れた場合には、自動車安全運転センターが
交付する無事故・無違反証明書や運転記録証明書等により事故歴を把握し、事故惹起運転
者に該当するか否かを確認する。

  1. 事業用自動車の運行の安全の確保に関する法令等
  2. 交通事故の事例の分析に基づく再発防止対策
  3. 交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因ならびにこれらへの対処法
  4. 交通事故を防止するために留意すべき事項
  5. 危険の予測及び回避
  6. 安全運転の実技

事故惹起運転者に対する特別な指導は、安全運転の実技を除いた所定の事項について、合計6時間以上実施しなければならず、安全運転の実技は可能な限り実施することが望ましい

②初任運転者に対する特別な指導
※初任運転者とは
「運転者として常時選任するために新たに雇い入れた者」をいうが、「当該事業者におい
てはじめて事業用自動車に乗務する前3年間に他の事業者等によって運転者として常時選
任されたことがあるものは除かれる。直近3年間に他の事業者で運転者としての経験があ
  るものは、特別な指導の対象となる初任運転者には該当しない。

  1. 貨物自動車運送事業法その他の法令に基づき運転者が遵守すべき事項、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転に関する事項等(15時間以上)
  2. 安全運転の実技(20時間以上)

③高齢運転者(65歳以上の運転者)
適性診断の結果を踏まえ、ここの運転者の加齢に伴う身体機能の変化の程度に応じた事業用自動車の安全な運転方法等について運転者が自ら考えるよう指導する。

●特別な指導の実施時期(指導監督の指針2章3)

①事故惹起運転者
原則:当該交通事故を引き起こした後、再度事業用自動車に乗務する前
例外:やむを得ない事情がある場合は、再度乗務を開始した後1か月以内

②初任運転者
原則:当該事業者においてはじめて事業用自動車に乗務する前
例外:やむを得ない事情がある場合は、乗務を開始した1か月以内

③高齢運転者
適性診断の結果が判明した後1か月以内に実施する。

●適性診断の受診(指導監督の指針2章4)

①事故惹起運転者
適性の種類:事故惹起者のための適性診断として国土交通大臣が認定した特定診断
原則:当該交通事故を引き起こした後、再度事業用自動車に乗務する前
例外:やむを得ない事情がある場合は、再度乗務を開始した後1か月以内

②初任運転者
適性の種類:初任運転者のための適性診断として国土交通大臣が認定した初任診断
原則:当該事業者においてはじめて事業用自動車に乗務する前
例外:やむを得ない事情がある場合は、乗務を開始した1か月以内

③高齢運転者
適性の種類:高齢運転者のための適性診断として国土交通大臣が認定した適齢診断
受信の時期:運転者が65歳に達した日以後1年以内に1回その後3年以内ごとに1回

●指導内容の運転者台帳への記載等(指導監督の指針2章前文)
特別な指導を実施した場合は、指導を実施した年月日・指導の具体的内容を運転者台帳に記載するか、または、指導を実施した年月日を運転者台帳に記載したうえで指導の具体的内容を記録した書面を運転者台帳に添付するものとする。

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