運行に係る記録

乗務等の記録(運転日報)(安全規則8条)

1.事業者は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、乗務を行った運転者ごとに次の事項を記録させ、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。

  1. 運転者の氏名
  2. 乗務した事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
  3. 乗務の開始・終了の地点、日時、主な経過地点及び乗務した距離
  4. 運転を交替した場合には、その地点及び日時
  5. 休憩または睡眠をした場合には、その地点及び日時
  6. 車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の普通自動車である事業用自動車に乗務した場合には次の事項

車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の事業用自動車に乗務した場合に記録しなければならない事項

貨物の積載状況
②集貨地点等(荷主の都合により集貨・配達を行った地点)で待機した場合は、
次の事項(荷待ち時間等の記録)※待機時間が30分未満の場合は省略可能
・集貨地点等
・集貨地点等への到着日時を荷主から指定された場合は、当該日時
・集貨地点等に到着した日時
・集貨地点等における荷役作業の開始・終了日時
・集貨地点等で、附帯業務を実施した場合は、附帯業務の開始・終了の日時
・集貨地点から出発した日時
③集貨地点等で、荷役作業を実施した倍は、次の事項(荷役作業等の記録
・集貨地点等
・荷役作業等の開始・終了の日時
・荷役作業等の内容
・上記3点の事項について荷主の確認が得られた場合は、荷主が確認したことを示す事項、確認が得られなかった場合は、その旨
⑦道路交通法に規定する交通事故(=死傷事故・物損事故)もしくは自動車事故報告規則2条に規定する事故または著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合には、その概要及び原因
⑧安全規則9条の3第3項の指示があった場合には、その内容

2.乗務等の記録として記録すべき事項は、運転者ごとに記録させることに代え、運行記録計により記録することができる。この場合において、当該記録すべき事項のうち運行記録計により記録された事項以外の事項を運転者ごとに運行記録計による記録に付記させなければならない。

運行記録計(タコグラフ)による記録(安全規則9条)

事業者は、次の事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該事業用自動車の「瞬間速度」、「運行距離」、「運行時間」を運行記録計により記録し、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。
車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の普通自動車である事業用自動車
②「①に該当する被けん引自動車」をけん引するけん引自動車である事業用自動車
③特別積み合せ貨物運送に係る運行系統に配置する事業用自動車(運行車)

事故の記録(事故記録簿)(安全規則9条の2)

事業者は、事業用自動車に係る事故が発生した場合には、次の事項を記録し、その記録を当該事業用自動車の運行を管理する営業所において3年間保存しなければならない。

  1. 乗務員の氏名
  2. 事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
  3. 事故の発生日時・場所
  4. 事故の当事者(乗務員を除く)の氏名
  5. 事故の概要(損害の程度を含む)
  6. 事故の原因
  7. 再発防止対策

●「事故の記録」として記録しなければならない事故とは・・・
車両等の交通による人の死傷または物の損壊があったもの(死傷事故・物損事故)、自動車事故報告規則第2条に規定する事故をいう。

運行指示書による指示等(安全規則9条の3)

1.事業者は、乗務開始及び乗務終了の点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を含む運行ごとに、次の事項を記載した運行指示書さくせいし、これにより事業用自動車の運転者に対し適切な指示を行い、運行中はこれを該当運転者に携行させなければならない

  1. 運行の開始・終了の地点及び日時
  2. 乗務員の氏名
  3. 運行の経路及び主な経過地における発車・到着の日時
  4. 運行に際して注意を要する箇所の位置
  5. 乗務員の休憩地点及び休憩時間(休憩がある場合)
  6. 乗務員の運転または業務の交替地点(運転または業務の交替がある場合)
  7. その他の運行の安全を確保するために必要な事項

2.事業者は、運転者が運行指示書を携行した運行の途中において、
①運行の開始・終了の地点及び日時
②運行の経路及び主な経過地における発車・到着の日時
に変更が生じた場合には、運行指示書の写しに当該変更の内容を記載し、これにより運転者に対し電話その他の方法により当該変更の内容について適切な指示を行い、および当該運転者が携行している運行指示書に当該変更の内容を記載させなければならない

3.事業者は、「運行指示書の作成を要しない運行」の途中において、運転者に「乗務前及び乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができない乗務」を行わせることとなった場合には、当該乗務以後の運行について、運行指示書を作成し、これにより当該運転者に対し電話その他の方法により適切な指示を行わなければならない。
なお、当該指示を受けた運転者は、当該指示の内容を「乗務等の記録」に記録しなければならない。

●運行変更の指示内容を「乗務の記録」に記録する場合とは
例えば、当初は1泊2日の予定だった運行が、途中で2泊3日の運行に変更された場合、運転者は運行指示書を携行していないので、指示内容を「乗務等の記録」に記録する。

4.事業者は、運行指示書及びその写しを運行の終了の日から1年間保存しなければならない。

運転者台帳(安全規則9条の5)

事業者は、運転者ごとに、次の事項を記載し、かつ、作成前6か月以内に撮影した単独、上3分身、無帽、正面、無配系の写真を張り付けた一定様式の運転者台帳を作成し、これを当該運転者の属する営業所に備えておかなければならない。

  1. 作成番号・作成年月日
  2. 事業者の氏名・名称
  3. 運転者の氏名・生年月日・住所
  4. 雇入れの年月日、運転者に選任された年月日
  5. 運転免許証の番号および有効期限、運転免許の年月日及び種類、運転免許に条件が付されている場合は当該条件
  6. 事故を引き起こした場合又は道路交通法の規定による通知を受けた場合はその概要
  7. 運転者の健康状態
  8. 特別な運転者に対する指導の実施および適性診断の受診の状況

●運転者台帳の作成における注意点

運転者台帳は、上記①~⑧すべての事項が記載された一定様式のものである必要があるので、例えば、採用時に提出させた履歴書を運転者台帳として使用することは適切ではない

運転者でなくなった者に係る運転者台帳(安全規則9条の5)

事業者は、運転者が転任、退職その他の理由により運転者でなくなった場合には、直ちに、当該運転者に係る運転者台帳に運転者でなくなった年月日及び理由を記載し、これを3年間保存しなければならない。

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